見えているデータが正しいとは限らない
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ソーシャル・マーケティング協会 代表理事の白鳥友康です。

とある空軍の技術者の話です。戦いが起これば戦闘機は被弾します。被弾した戦闘機は壊れますが修理が可能です。ですから軍全体から見ると、パイロットが無事で帰還してくれる戦闘機が理想です。
その技術者は「どうしたら戦闘機の帰還率を高められるか?」を調べるために、無事に帰還した戦闘機が、どこに被弾したのかを調べました。
すると、帰還した戦闘機が最も被弾していた場所は主翼でした。当然、技術者は考えます。「主翼の装甲を厚くすれば、帰還率が高まるに違いない」確かに正論ですね。
しかし、この対策は間違いです。もちろん主翼の装甲を厚くすれば帰還率が高まるのは間違いありませんが、実はより優先すべき対策が存在します。
話は少し変わりますが、その時代の空中戦は、機銃による斉射が主な攻撃方法でした。機銃は戦闘機の正面についていますから、敵戦闘機に打ち込むには、お互いに正面から向き合う形で戦うことになります。
この形で双方が機銃を撃ち合うと、最も被弾しやすい部分は「機首」なのです。パイロットが座っている操縦席の目の前です。ちょうど足がある部分になります。
したがって、最も帰還率を高める対策は「操縦席の足のある部分に、機銃を受けても大丈夫な装甲をすること」ということなのです。
技術者は優秀でした。しかし、帰還した戦闘機だけのデータを検証したため「最も被弾しやすい部分はどこか?」という問いに対する回答を誤ってしまいました。
操縦席を撃たれた戦闘機は、パイロットが負傷してしまうため、ほとんどの戦闘機は帰還することが出来なかったのです。
★選択バイアスの罠
このような、一見正しいように感じる仮設も視点を変えると違って見えることを「選択バイアスの罠」と呼びます。
先の技術者の事例は、わかりやすく少し変更していますが、実は、こういったことは日常の様々なところで発生しています。様々なメディアや機関が好評しているデータも同様です。ダイエットに関する情報などは、特に顕著ですね。
食事制限をすれば確かに痩せますが、筋力が落ちて基礎代謝が減るため、リバウンドしやすい体質になってしまう。などなど。
この選択バイアスの罠にハマらないようにするには、常に物事を多面的に見るようにすることです。
NARUTO-ナルト-にオビトというキャラクターがいます。遅刻魔の彼は、待ち合わせ時間にいつも遅刻してきますが、その理由は「困った老人を助けていた」というもの。遅刻という事実だけを見れば、悪かもしれませんが、多面的に見るとそうではないかもしれない。
物事を一方からだけ見ていると騙されやすくなります。常に冷静に様々な視点で情報の取捨選択をしたいものですね。
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